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中東停戦交渉が進展も、FRB利上げ観測が上値抑え 金は約3カ月ぶり安値圏で推移

by VT Markets
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Jun 9, 2026

金は火曜日の欧州序盤、狭いレンジで推移し、米ドルが2カ月超ぶりの高値から反落する中でも、3月23日以来の安値圏に近い水準を維持した。イランとイスラエルは月曜日、ドナルド・トランプ米大統領の呼びかけを受けて相互攻撃を停止したと表明し、地金相場には一定の下支えとなったものの、中東全体の情勢が未解決のままであることから、市場は引き続き慎重姿勢を崩していない。米・イラン協議は、テヘランの核開発計画を巡って、主権承認の要求、ホルムズ海峡の海上交通の管理、制裁緩和、凍結資産の解放といった要求が絡み停滞しており、地政学リスク・プレミアムが残存。さらに、要衝通過の海運制約がエネルギー市場の変動性を高めている。

インフレ懸念と、米連邦準備制度理事会(FRB)を含む中央銀行がよりタカ派に傾くとの見方から、注目は金利動向に集中している。CMEグループのFedWatchツールでは年末までの利上げ確率が70%超とされ、米国債利回りを下支えし、利息を生まない金の上値を抑えている。目先は水曜日の米CPI、木曜日の米PPIが焦点。テクニカル面では、先週の200日移動平均線(SMA)割れで弱気基調が強まり、サポートは4,270.16ドル近辺。RSIは35前後、MACDはマイナス圏にとどまる。レジスタンスは200日SMAの4,441.10ドル、次いで4,571.21ドル近辺が意識される。

地政学的緊張とインフレ圧力

金は、米ドルが直近高値から小幅に押し戻されているにもかかわらず、狭い値幅に押し込められている。イランとイスラエルの攻撃停止は一時的な安心材料となるが、根底にある緊張は地政学リスクの下値を支えている。海上リスク分析機関のデータによれば、ホルムズ海峡を通過するタンカーの戦争リスク保険料率は過去1カ月で15%上昇しており、未解決の問題を映している。

金への主要な下押し圧力は、FRBがより積極的(タカ派)になるとの見通しにある。米労働統計局(BLS)は先週、5月の消費者物価指数(CPI)が前年比3.5%とやや強めだったと発表し、こうした懸念を後押しした。その結果、今朝(2026年6月9日)時点で、CME FedWatchツールは年末までの利上げ確率を82%と示しており、米国債利回りの高止まりとドルの支援要因となっている。

取引戦略とテクニカル見通し

金の上昇局面は売り場と捉えるべきだと考える。この環境は、ドル高と実質金利の上昇が安全資産需要を最終的に上回った2022年の利上げ局面入り前に似た様相を呈している。デリバティブ取引では、下落を見込んでプット・オプションの購入やベア・プット・スプレッドの構築といった戦略が選択肢となる。

テクニカル面では、200日SMA下抜けは重要な弱気シグナルだ。現在は、下向きチャネルの下限サポートである4,270ドル近辺を持続的に割り込む動きを確認してから、より積極的なショート構築に踏み切る構え。RSIやMACDは売り手優勢を示す一方、極端な売られ過ぎではなく、さらなる下落余地を残している。

想定外の反発が起きた場合、最初の大きな壁は足元で4,441ドル近辺に位置する200日SMAとなる。ここを明確に回復すれば、弱気見通しに対する最初の警戒サインとなる。より重要な上値の障壁は、4,571ドル近辺の上向きチャネル上限であり、予想外の強気モメンタムが出ても上値を抑える公算が大きい。

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