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中東情勢の緊張緩和で金価格は下げ止まり 米CPIに注目、週間で急落後

by VT Markets
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Jun 9, 2026

金は月曜日、イラン・イスラエル間の攻撃が小休止したことでリスク選好が下支えされた一方、米マクロ面のリスクが上値を抑え、概ね横ばいで推移した。XAU/USDは、日中安値の4,268ドルを付けた後、4,332ドル近辺で取引された。米非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回ったことを受け、週間で約5%下落した直後でもある。米株は上昇しており、米ドル指数(DXY)は100.00近辺で横ばい、米10年債利回りは2bp上昇して4.552%となり、金の上昇余地を制限した。原油は、米国とイランの合意がなお不透明で地政学要因が意識されるなかでも、WTIが1%超上昇した。

注目は米消費者物価指数(CPI)へ移る。市場予想は、4月の前年比3.8%から5月は4.2%へ加速。金利市場の織り込みでは、2026年末までに米連邦準備制度理事会(FRB)が計24bpの利上げを行う見通しとなっている。ニューヨーク連銀の消費者期待調査では、1年先のインフレ期待が3.6%から3.5%へ低下した一方、3年先と5年先はそれぞれ3.1%、3.0%で横ばいだった。テクニカル面では、金は200日単純移動平均(SMA)の4,436ドルを下回った状態が続き、相対力指数(RSI)は34.05。下値の主要水準は4,200ドル、4,098ドル、4,000ドル、上値は4,500ドル、4,550ドル、4,623ドル、4,792ドルが意識される。

インフレ指標:金相場の最大の触媒

市場の焦点を踏まえると、今後数週間の金相場にとって、控える米CPIが最重要の触媒になるとみる。足元の横ばい推移は、この大型指標発表を前にした単なる持ち合いに過ぎず、市場は前年比4.2%という高いインフレ率を見込んでいる。これほど高い数字は、2024年5月の前年比3.3%を大きく上回り、FRBのタカ派姿勢を裏付ける材料となり得る。

したがって当方の戦略は金の下方向を想定している。市場は年末までに利下げではなく利上げ(年末までに計24bp)を織り込んでいるためだ。利回り上昇局面では、利息を生まない資産である金の保有コストは相対的に高まる。オプション投資家は、インフレ指標後の下落に備え、プットの購入、もしくは弱気のプット・スプレッド構築を検討すべきだと考える。

弱気見通しを支えるテクニカル要因と地政学要因

テクニカル面も弱気見通しを支持している。金は重要な200日移動平均(4,436ドル)を明確に下回って推移している。RSIは34近辺にあり、売り手優位であることを示す一方、売られ過ぎと判断されるまでにはなお下落余地がある。短期的には、直近安値4,268ドルの下抜けが、新規のショート積み増しのトリガーになるかを注視する。

CPI発表前後は、相場を動かしやすいイベントとしてボラティリティが大幅に上昇する見通しだ。経験則として、インフレ指標が予想を上回る「上振れ」となった場合、米国債利回りと米ドルが急伸し、金は急落しやすい。今回も、強いインフレ率の予想が満たされる、あるいは上回るなら、同様の反応を想定する。

中東の地政学的緊張は一定の下支え要因となるものの、現時点では米金融政策の影響力が圧倒的であり、地政学は二次的な要因にとどまるとみる。緊張が緩和すれば、この「下値の床」が剥落し、金への下押し圧力が強まる可能性がある。当面、根強いインフレへの警戒とFRBの引き締め志向を背景に、上値よりも下値を試しやすい展開が続く公算が大きい。

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