ポンドは月曜日に0.10%上昇し、リスク選好の改善を背景にGBP/USDは日中安値1.3306から1.3349へ戻した。米ドル指数は0.16%安の99.91となり、ドルは金曜日の上昇分の一部を吐き出した。原油は、イラン軍がイスラエルへの攻撃の終了を発表したことを受けて序盤の強さを削ったものの、レバノンへの追加攻撃があれば報復すると警告した。イランとイスラエルは、ドナルド・トランプ米大統領が停戦を呼びかけ、ワシントンとテヘランの協議再開を可能にするため銃撃の停止を求めたことを受け、停戦に合意した。
米国では、強い雇用統計(非農業部門雇用者数、NFP)が労働市場の底堅さへの見方を補強し、FRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派的な発言を後押しした。次の注目は5月のCPIで、水曜日に発表予定。市場予想は4月の3.8%から4.2%へ上昇。市場は2026年に0.25%ポイントの利上げが行われる確率を92%と織り込む。英国では指標発表はないが、2026年にBOE(英中銀)が少なくとも50bp引き締めるとの観測がポンドの下値を限定した。テクニカル面では、GBP/USDは1.3340近辺に位置し、1.3456付近に集まる単純移動平均線群および1.3869からの下降トレンドラインを下回って推移。RSI(14)は39近傍で、サポートは1.3159から意識されている。
短期的な安定とマクロ要因
足元のGBP/USDの安定は一時的なものとみている。ドルの小幅な反落と地政学的緊張の一服が主因だ。今後数週間の最大の材料は今週水曜日の米消費者物価指数(CPI)で、ドルの次の大きな方向性を決める可能性が高い。インフレ率が強ければ、FRBのタカ派スタンスをほぼ確実に補強するだろう。
市場が5月CPIの4.2%超を見込むなか、当社はドル高再燃を想定している。CMEのFedWatchツールによれば、トレーダーは年末までの利上げ確率をすでに92%織り込んでおり、インフレ指標が上振れすればこの見方が一段と固まる。2022年の引き締め局面を振り返ると、CPIが予想を上回る局面ではGBP/USDが急落するケースが繰り返し見られた。
BOE見通し、オプション戦略、テクニカル
BOEも引き締めが見込まれる一方、これは概ねポンドに織り込み済みと考える。英国のコアインフレ率は過去3カ月にわたり4.5%を頑強に上回っており、これを受けてマネーマーケットは2026年残り期間で60bp超のBOE利上げを織り込んでいる。これはポンドを下支えし下値余地を抑える可能性があるが、FRB主導のドル高局面を上回る力にはなりにくい。
今後の重要指標を踏まえると、1カ月物GBP/USDオプションのインプライド・ボラティリティは9.5%前後へ上昇しており、大きな値動きが見込まれていることを示す。CPI後の上下いずれかの大きな変動から収益機会を狙う手段として、ストラドルの買いは有効な戦略となり得る。方向感を持つ投資家に対しては、1.3300を下回る行使価格のプット買いで下落に賭ける戦略を選好する。
テクニカル観点では、相場は重要レジスタンスの1.3456を下回る明確な下降トレンドにある。強い米指標を受けて1.3159近辺のサポート(トレンドライン)を維持できなければ、弱気見通しの確認材料となる。この水準を明確に割り込んで推移すれば、下方向への加速が見込まれ、プットオプションが大きく収益化する可能性がある。
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