米ドル/円は月曜日、160.15円近辺で推移し、ほぼ横ばいとなった。市場参加者が中東情勢と日本の介入再開リスクを見極めるなか、円は再び160.00円水準を試す展開となっている。イランのファルス通信は、週末の攻撃(4月の停戦以来初)を受け、イランがイスラエルに対する軍事作戦を終了したと報じた。ドナルド・トランプ氏は米・イランの和平協議が継続していると述べる一方、最終合意に至るまでイラン港湾の米海軍による封鎖を維持するとし、この方針転換がドルの重しとなり、円を下支えした。米ドル指数(DXY)は99.96近辺で推移し、序盤には100.21と4月上旬以来の高値を付けた。ただし、円のファンダメンタルズの弱さが根強いことから、米ドル/円の下値は限定された。
東京市場での4月下旬の為替介入による押し下げ効果は、相場が160.00円を上抜けたことで薄れている。財務省は4月28日から5月27日にかけて過去最大となる11兆7,350億円を投じたと報じられている。日本は原油輸入の9割超を中東に依存しているため、エネルギーショックへの脆弱性は依然として大きい。市場の関心は今週後半の米インフレ指標に移り、その後は来週の日銀会合と米連邦準備制度理事会(FRB)会合が控える。市場は日銀の利上げを完全に織り込む一方、FRBは据え置き予想が優勢だ。円は日中のパフォーマンス表で対スイスフランで最も強かった。
160円水準を巡るボラティリティと戦略的ポジショニング
米ドル/円が重要な160.00円近辺でもみ合うなか、ボラティリティが急上昇する局面に備えている。強い米国景気のファンダメンタルズと、日本当局による介入という現実的な脅威のせめぎ合いだ。今後数週間の焦点は方向性の見極めというより、どれほど大きく動くか(変動幅)を取引することになるとみている。
上下双方のリスクを踏まえ、どちらに大きく振れても利益を狙える戦略に注目している。例えば1カ月物ストラドルのようにオプションを購入すれば、160円を明確に上抜ける展開、あるいは介入による急反落のいずれでも大きな値動きから収益機会を得られる。地政学要因と中央銀行要因の双方に不確実性が高いことを反映した、純粋なボラティリティ・プレイである。
オプション市場のダイナミクスとリスク管理
日本当局が動く局面では値動きが激しく突発的になりやすい。2022年の介入時に見られたような、単日で3〜4%の急落に近い動きが起こり得る。足元の米ドル/円オプションの1カ月インプライド・ボラティリティはすでに11%を上回り、年初来平均の8%前後から上昇しており、市場がこのリスクを織り込みつつあることが示される。保険と上振れ余地への対価として妥当な水準とみている。
ドル高のファンダメンタルズ要因は、金利差の大きさから依然として強い。米金利は5%超で、日本の金利はゼロ近傍にとどまる。これを慎重に取りに行く手段として、上昇局面での利益を確保しつつ初期コストを抑えられるブル・コール・スプレッドを検討している。上方向への圧力を認めつつ、160円が強い上値の壁である点も踏まえた対応だ。
もっとも、急落リスクに対するヘッジも必要だ。日本はすでに円防衛に11兆円超を投じている。防御策として、安価なアウト・オブ・ザ・マネーのプットを購入している。中東情勢がさらに緩和する場合や、日銀が想定以上にタカ派的な姿勢を示す場合に円高が急進し得るため、既存ポジションをそのリスクから守る狙いがある。
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