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TD証券、カナダ中銀が景気指標の弱含みを受け政策金利2.25%を2026年まで据え置くと予想

by VT Markets
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Jun 8, 2026

TDセキュリティーズは、カナダ中銀(BoC)が6月会合で翌日物金利を2.25%に据え置き、その後もカナダ経済指標が軟化するなかで2026年まで同水準を維持すると見込む。同行は、メッセージングは前回会合と概ね整合的に推移し、国内景気の弱さとインフレ圧力の波及リスクを天秤にかけつつ、原油高は短期的要因として扱うと予想している。

TDは、インフレ率が第2四半期に約3%でピークに達すると予測しており、これはBoCの4月金融政策報告(MPR)の見通しを上回る水準だとしている。インフレ期待の安定、インフレの広がりの低下、コアインフレのモメンタム鈍化が長期据え置きを下支えすると主張する一方、BoCはガイダンスにおいて連続利上げの可能性を残す見通し。TDの基本シナリオでは、来年に中立水準の2.75%へ回帰し、1月と3月にそれぞれ25bpの利上げを織り込んでいる。

金利ボラティリティとカナダのデリバティブ戦略

カナダ中銀が2.25%での長期据え置きを示唆していることを踏まえると、金利ボラティリティは年内を通じて抑制された状態が続くとみる。この安定した政策環境では、近い将来の大幅な金利変動に賭けるデリバティブ取引は収益化しにくい可能性が高い。カナダ国債は、低ボラティリティとレンジ相場から恩恵を受ける戦略が優位になりやすい局面だ。

この見方は、国内景気の減速を示す直近データにも裏付けられる。先週の雇用統計では失業率が小幅に上昇して6.3%となり、最新(5月)のCPIは2.9%だった。こうした数値は、コアインフレの落ち着きが、ヘッドライン指標のやや高めの推移を中銀が許容できる程度である、との見立てと整合的だ。

デリバティブ取引では、3カ月物カナダBA先物(BAX)などを対象にオプションを売ってプレミアムを獲得する戦略が示唆される。中銀が様子見姿勢であれば、期近の金利先物はアンカーされやすく、オプション売り手にとってはセータ(時間価値の減衰)を取りにいきやすい。最大のリスクは、予想外のインフレショックにより中銀が対応を迫られることだ。

外部リスク、歴史的類似、そしてカナダドル

外部リスク、とりわけエネルギー価格には引き続き警戒が必要だ。WTI原油が足元で1バレル=95ドル超で推移するなか、コスト上昇がコアインフレに波及し、中銀の「忍耐強い」スタンスを変えうるリスクがある。このため、将来の利上げに備える安価なアウト・オブ・ザ・マネーのコールオプションを購入することは、有効なヘッジになり得る。

2015~2017年を振り返ると、BoCが長期間据え置いた後に利上げ局面へ急転換した例があり、有用な比較対象となる。この先例は、ベースケースが安定であってもセンチメントは急速に変化し得ることを示している。したがって、年後半に中銀コミュニケーションが突然転換する可能性に備えるべきだ。

また、カナダの長期据え置きが、海外での金利上昇の可能性と対比される場合、カナダドルの重しとなり得る。米連邦準備制度理事会(FRB)がタカ派的な姿勢を維持すれば、金利差の拡大がCADを対USDで押し下げる公算が大きい。向こう数カ月のルーニー安を見込むポジショニングとしては、USD/CADのコールオプションが、リスクを限定しつつ有効な手段だとみている。

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