EUR/USDは複数のサポート水準を相次いで割り込み、1.1520近辺で3カ月ぶり安値まで下落した。終値は1.1519と前日比0.78%安。1.1590および1.1555を下回り、日中安値は1.1516を記録。下げ止まりの兆しは直ちには見られない。短期的には、1.1575が上値抵抗として機能する限り、1.1490方向への下押し余地が焦点となる。小幅な上値抵抗は1.1535に観測され、現時点では1.1445までの下落は可能性が低いとみられる。
1〜3週間の時間軸では、1.1590割れを受けて下向きのモメンタムが強まっているとの整理。1.1590は従来、1.1590〜1.1685レンジの下限として意識されていた。抵抗水準の参照点が変化したことで、強い上値抵抗は従来の1.1655ではなく1.1600に置き換えられる。したがって、方向性は1.1445に向けて下目線が維持される一方、足元では1.1575が明確な抵抗として位置付けられる。
ユーロ下落トレンド再開と中銀政策の乖離
先週、重要なサポートを明確に割り込んだことを踏まえ、今後数週間にわたりユーロの対米ドル下落トレンドが継続するとみる。1.1516まで急落した後も下向きの勢いは強く、注目は新たな目標水準である1.1445へ移る。上値抵抗は1.1600近辺にしっかり形成された。
この見方は、ドルを押し上げる形の経済指標の乖離によって裏付けられる。2026年6月5日(金)公表の米雇用統計(非農業部門雇用者数)は26.5万人増と、市場予想を大幅に上回り、FRBがよりタカ派的になるとの観測を強めた。これとは対照的に、ユーロ圏では速報の製造業PMIが49.2へ低下し、景況感の縮小局面入りを示唆した。
過去の経験則として、FRBと欧州中央銀行(ECB)の政策スタンスの乖離局面では、持続的なトレンドが形成されやすい。2022年にはFRBの急速な利上げがEUR/USDをパリティ割れへ押し下げたが、足元では高利回りの米資産へ資金が向かうことで、同様の力学の初期段階が進行している。こうしたマクロ環境は、ユーロ安の継続を見込むポジショニングを正当化すると考える。
想定下落を収益機会に変える戦略
今後数週間を見据え、想定される下落局面を捉える手段としてプット・オプションの買いを検討する。2026年7月満期で権利行使価格が1.1500または1.1450近辺のプットは妙味がある。ペアが1.1445目標に向けて下落を続ける場合に、リスクを限定しつつ収益機会を狙える戦略となる。
別案としては、EUR/USD先物の売りにより、よりダイレクトにショートエクスポージャーを構築する方法がある。弱気目線を維持しつつインカム獲得を狙う投資家には、ベア・コール・スプレッド(コール売り+上の行使価格のコール買い)が適切だろう。強い上値抵抗が1.1600であることを踏まえ、1.1600コールを売り、1.1650コールを買う組み合わせが有効とされる。
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