カナダ・ドルは月曜日の欧州時間、主要通貨に対して下落した。市場が水曜日のカナダ銀行(BoC)政策金利決定を前にポジション調整を進めたためだ。市場の見方は、カナダの4月CPIが前年比2.8%(速報値2.4%)となったにもかかわらず、BoCが政策金利を2.25%に据え置く公算が大きいというもの。あわせて、水曜日公表の米5月CPIにも注目が集まっており、これは米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を左右するデータとなる。
国内指標は堅調だった。5月の雇用者数は前月比+8.78万人と、市場予想の+1.0万人を上回り、4月の▲1.77万人から大きく反発した。失業率は6.9%と予想通り。一方、通貨には原油安も逆風となった。ドナルド・トランプ米大統領が、イスラエルとイランが即時停戦を求めていると述べたことを受けて原油価格が急落し、純エネルギー輸出国であるカナダにとって不利に働きやすい。
BoC Rate Decision Uncertainty and Market Positioning
水曜日のカナダ銀行(BoC)政策金利決定を前に、カナダ・ドルは上値の重い展開となっている。市場は政策金利を2.25%で据え置く方向に傾いており、通貨には緊張感が漂う。これはデリバティブ取引の観点では機会になり得る。
焦点は「据え置き」という市場予想と、直近の強い経済指標との乖離にある。4月のインフレ率が2.8%、5月の雇用増が8万7,800人と、データだけを見れば利上げを示唆し、少なくとも様子見とは整合的でない。歴史的に、中央銀行はインフレ抑制のためにこうした強いシグナルに反応し得るため、市場の据え置きコンセンサスが外れる可能性もある。
こうした不確実性の大きさを踏まえると、ボラティリティ急上昇への備えが必要だ。USD/CADオプションのインプライド・ボラティリティは上昇しやすく、1週間物のボラティリティは通常の6~7%程度から、水曜日のような重要指標の同日集中局面では10%超へ跳ね上がることも多い。上下いずれの方向でも大きく動く局面で利益を狙えるオプション戦略が有効となる。
Options Strategies Amid Dual Risk Events
具体的には、今週後半または来週満期のUSD/CADストラドル(またはストラングル)の購入を検討する。BoCが利上げでサプライズを出してCADが急伸する場合でも、予想通り据え置きながらハト派的なガイダンスでCADが下落する場合でも収益機会が得られる。BoC決定と米CPIが同日に重なることで、大きな値動きが生じる可能性は高い。
また、WTI原油が足元で1バレル=80ドルを下回る場面があるなど原油価格の急落は、ルーニー(カナダ・ドル)に追加の下押し圧力となる。エネルギー市況の弱さが堅調な国内指標を上回って影響するとみるなら、よりシンプルな方向性の取引として、USD/CADコールオプションの購入も選択肢となる。原油安が続き、BoCが慎重姿勢を維持すれば、USD/CAD上昇(米ドル高・カナダ・ドル安)に備えるポジションとなる。
さらに水曜日の米インフレ指標にも備える必要がある。米CPIが市場予想を上回れば米ドルは強含み、BoCの判断にかかわらずUSD/CAD上昇の追い風となり得る。2つの主要イベントが同時に市場を動かし得る点は、ボラティリティ重視の戦略を後押しする。
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