金は週明け月曜日も下落基調を継続し、XAU/USDは4,268ドルまで下落して約2カ月ぶりの安値を付けた。直近2日間の下げは4%超に拡大。イスラエルとイランがミサイル攻撃の応酬と強硬な応酬を続け、もろい停戦合意に一段の圧力がかかる一方で、資金需要は米ドルへとシフトした。米国債利回りの上昇がドル買いを後押しした。
マクロ面では、先週金曜日の米雇用統計(非農業部門雇用者数)が市場予想を上回ったことに加え、週前半に発表されたサービス業・製造業指標も底堅く、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めが長期化するとの見方が強まった。テクニカル面では、金は200日移動平均線(SMA)を下抜けた後、4,289ドル近辺で推移。RSIは32近辺、MACDはゼロライン下で推移している。サポートは4,230ドル、その後は年初来安値の4,100ドル近辺が意識される一方、レジスタンスは4,350〜4,365ドル、次いで200日SMA近辺の4,435ドル、弱気チャネル上限の4,515ドル付近が挙げられる。なお、世界金評議会(WGC)によれば、中央銀行は2022年に約700億ドル相当(1,136トン)の金を外貨準備に追加した。
短期見通し:ドル高と弱気テクニカル
米ドルの強さを踏まえると、短期的に金の「最小抵抗線」は下方向にあるとみる。最新の雇用統計では米経済が27.2万人の雇用増と強い内容を示し、FRBの「高金利の長期化」スタンスを裏付けた。特に米重要インフレ指標の発表が今週水曜日に控えるなか、ショート構築やプット購入にとって追い風になり得ると考える。
金が200日移動平均線を割り込んだことは、重要な弱気シグナルだ。焦点は下値目標に移る。年初来安値である4,100ドル近辺を権利行使価格とするプット・オプションに注目している。RSIは売られ過ぎに近づいているものの、明確な反転に至る前に、下押し圧力がなお残るとみる。
ボラティリティ戦略と長期的な下支え
イスラエルとイランの対立激化は市場の不確実性を高め、金オプションのインプライド・ボラティリティを押し上げている。このため、ロング・ストラドルのような戦略は有効となり得る。情勢が急激にエスカレート、または沈静化した場合でも、上下いずれの大きな値動きも取り込みやすいからだ。足元の弱気テクニカルを上回る、ヘッドライン主導の急変動には警戒が必要となる。
もっとも、現状の弱さにもかかわらず、中央銀行による下支えは無視できない。中央銀行は昨年、過去最高となる1,037トンの金を購入した。こうした強い機関投資家需要は、長期的には価格の下値を支える要因となる。より長期の時間軸を持つ投資家にとっては、今回の下落局面が、数カ月先満期のコール・オプションを通じてポジションを構築し、安全資産需要の回帰に賭ける好機となる可能性がある。
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