スウェーデンの生産者物価指数(PPI)は4月に前月比1.1%上昇し、前回の0.6%から伸びが拡大した。今回の上昇は、期間中の生産者段階における価格上昇ペースが加速したことを示唆する。
前月の伸びからは0.5ポイントの加速となる。生産者価格は、コスト変動がサプライチェーンを通じてどの程度転嫁されるかに応じて、川下のインフレ動向に影響を与え得る。
インフレ見通しと金融政策への含意
4月の生産者物価指数が前月比1.1%に上昇したことで、インフレのパイプライン圧力が目に見えて強まっている。これは企業のコスト圧力が加速していることを示し、消費者物価の上振れにつながる可能性が高い。結果として、今夏にリクスバンク(スウェーデン中銀)が追加利下げに踏み切るとの市場予想に疑義が生じる。
このPPIは、4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比2.5%と強めに出て、中央銀行の目標である2%を頑強に上回っていることを裏付ける。リクスバンクが今月初めに慎重な利下げを実施したことを踏まえると、このインフレの粘着性は、同中銀をよりタカ派的なスタンスへと押しやるとみられる。従来は60%超と織り込まれていた9月利下げの確率は、足元で大きく低下しつつある。
為替・金利・株式の市場戦略
為替市場では、特に対ユーロでスウェーデンクローナ(SEK)高を狙うポジションに妙味があるとみる。EUR/SEKは足元で11.60近辺にあり、リクスバンクの政策見通しがタカ派方向に再評価される動きは、まだ十分に織り込まれていない可能性があることから、短期のSEKコールオプションを検討している。2022年後半の過去データでは、同様のインフレ上振れがクローナの急伸(ただし一時的)につながった局面がある。
金利デリバティブでは、今後6〜12カ月で満期を迎えるスウェーデン金利スワップで固定払い(ペイ・フィックス)を想定する。現行のスワップカーブは年内の一段の金融緩和を示唆しているが、投入コストの上昇を踏まえると、その実現可能性は低下したとみる。とりわけ、ブレント原油が足元で再び1バレル=90ドルを上回って推移している点は、コスト面の上振れ要因となる。この取引は、市場が利下げ観測を後退させ、金利見通しを上方修正する局面で収益機会となる。
株式では、この動きはOMXストックホルム30指数に逆風となる。ロングの株式ポートフォリオの下振れリスクに備え、プロテクティブ・プットの購入、またはアウト・オブ・ザ・マネーのコール売りによるヘッジを推奨する。企業の資金調達コスト上昇に加え、景気減速の可能性が重なることで、今後1四半期の国内株にはネガティブな見通しとなる。
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