USD/CADは月曜日に下落し、4日続いた上昇に終止符を打った。市場が米・イラン協議の進展を追う中、ドル/カナダドルは日中高値の1.3820近辺から失速し、1.3803近辺で取引された。ホルムズ海峡の再開につながり得る合意に向けた進展報道を受け、米ドルには売り圧力がかかった。こうした地合いの変化が原油相場を押し下げ、WTIは約3週間ぶりの安値へ下落した。
原油安はエネルギー主導のインフレショック懸念を和らげた一方、主要産油国であるカナダにとってはカナダドル(CAD)の支援材料を弱める面もあった。同時に、イランの核開発計画、制裁緩和、凍結資産、米海軍の封鎖といった交渉の未解決要素が残ることで、米ドル需要の一段の後退は抑えられた。DXY(ドル指数)は99.00近辺で持ち合い、注目は金融政策見通しへ。金利の「高水準長期化」リスクは依然として意識され、FRBの見通しは木曜日発表の米PCE統計で試される構図となっている。
USD/CAD下落の要因と原油価格の影響
足元のUSD/CADが1.3800方向へ下押ししている動きは、米・イラン協議への慎重な楽観に起因する一時的なものとみている。市場は見出しに反応しているが、米ドル高を支える基礎的要因は変わっていない。この調整は、今後数日における戦術的な機会となり得る。
当社見通しでは、地政学的な楽観による米ドル全般の弱含みよりも、原油安がカナダドルに与えるマイナス影響の方が最終的に勝る公算が大きい。WTI原油はこの1週間で5%超下落し、1バレル=85ドルを下回って推移しており、商品通貨であるCADに直接的な下押し圧力となっている。歴史的にWTIとUSD/CADには強い逆相関があり、原油が持続的に弱含めば、為替レートに相応の下値支持(フロア)を提供しやすい。
PCE統計、取引戦略、主要カタリスト
当社が最も重視しているのは、木曜日の米個人消費支出(PCE)価格指数である。PCEはFRBが重視するインフレ指標だ。CME FedWatchによる現状の市場織り込みでは、投資家は夏場にかけてFRBが政策金利を現行水準に据え置く確率を70%超とみている。コアPCEが市場予想の前月比0.3%に達する、または上振れれば、「高水準長期化」観測が補強され、米ドル買いが再燃しやすい。
これら相反する材料が並存する中、向こう数週間はボラティリティ(変動性)を買う戦略が最も妥当と考える。当社はUSD/CADの短期オプション・ストラドル(同一権利行使価格のコール+プット)を購入し、PCE統計やイランに関する決定的な発表を受けて上下いずれかに大きく動いた場合の収益化を狙う。結果を予測せず、イベントドリブンの不確実性から利益を狙える点が利点だ。
米・イラン交渉が完全に決裂すれば重要なカタリストとなり、原油高とリスクオフを通じてUSD/CADは直近高値圏である1.3850超へ戻る可能性が高い。逆に、サプライズ合意に加えインフレ指標が弱ければ、同ペアは1.3750近辺のサポートを試す展開もあり得る。当社のオプション戦略は、直近レンジを明確に上放れ/下放れする局面で収益化できる設計としている。
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