金(XAU/USD)は月曜日の欧州時間序盤、4,550ドル超で下支えされたものの、概ね1週間近いレンジ内で上値を抑えられた。週末の動きで米国・イランの和平合意の可能性が意識され、米ドル(USD)に下押し圧力がかかるなかで金相場を下支えしたが、依然として未解決の争点が残ることに加え、米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派的な見通しが根強く、ドル安は限定的となり、利回りを生まない金の上昇も抑制された。Axiosは土曜深夜、双方が「60日間の停戦延長」と「ホルムズ海峡の再開」を盛り込んだ合意に近づいていると報じ、ドナルド・トランプ大統領も枠組みは概ね交渉済みだと述べた。これを受けた原油の下落はインフレ懸念を和らげ、祝日で流動性が薄いなか米国債利回りを押し下げ、ドルの重しとなった。
一方、トランプ氏は関係者に急がないよう求め、正式かつ認証された合意に署名するまでイラン港湾の海上封鎖を維持すると発言。さらにイランの核開発を巡る見解の相違が楽観ムードを抑えた。市場では、2026年のFRB利上げ観測がドルの追い風となり、アナリストは、3月下旬以来の安値である4,450ドル近辺を短期的な底値として確認するには、その後の追随買いが必要とみている。テクニカル面では、価格は下向きの平行チャネル内にとどまり、上限は4時間足の200期EMAが位置する4,650ドル近辺と重なる。MACDはゼロ上でヒストグラムもプラス、RSIは50台半ば。サポートは4,360ドル近辺に見られ、ここを割り込めば調整が深まる可能性がある。
拮抗する材料が金の短期見通しを左右
本日(2026年5月25日)時点で、金は相反する要因の綱引きにより、今後数週間の先行き不透明感が強い。米国・イラン和平合意の可能性が下支え要因となる一方、より支配的な材料はFRBのタカ派姿勢だ。CMEのフェド・ファンド先物に基づく足元の市場織り込みでは、2026年9月会合で25bp利上げとなる確率が70%を超えており、ドル高を促して金の上値を抑える可能性が高い。
仮に米国・イランの正式合意が署名されれば、ドルが一時的に弱含むことで金が短期的に反発する余地はある。ただし歴史的には、2015年のイラン核合意当初のような地政学的緊張の緩和は、金融政策が引き締め方向で相殺される場合、金への長期的な影響は限定的になりやすい。したがって、4,650ドルのレジスタンスに向けた上昇があれば、新たな強気トレンドの始まりというより、上値の息切れサインを探る局面と捉えたい。
不確実性のなか、オプション市場が売買機会を示唆
金の主要ドライバーは依然として、インフレ抑制に向けたFRBのコミットメントであり、利回りを生まない資産への圧力は続く見通しだ。テクニカル面も金が下向きチャネル内で推移していることで弱気基調を確認している。トレーダーは、チャネル下限のサポートである4,360ドル近辺を下抜ける可能性に備え、4,450ドルを下回る権利行使価格のプット・オプション購入を検討すべきだろう。
こうした高い不確実性はオプション市場にも表れており、金のインプライド・ボラティリティはこの1週間で上昇した。CBOEゴールド・ボラティリティ指数(GVZ)は17.5まで上昇しており、近い将来に通常より大きな値動きが織り込まれていることを示す。このため、上下いずれの方向への大きな変動でも利益機会を狙えるストラドルのような戦略はコストが高くなる一方、レンジがブレイクした場合にはリターンが見込める。
シグナルが錯綜していることを踏まえ、大きな先物ポジションは避け、損失限定型のオプション戦略に軸足を置く。わずかにアウト・オブ・ザ・マネーのコールまたはプットを購入することで、現在のレンジからのブレイクに備えつつ、初期支出を小さく抑えられる。このアプローチは、材料が和平合意であれFRBのタカ派発言であれ、状況に応じて柔軟に対応できる。
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