銀は狭いレンジで推移し、1トロイオンス=76.50ドル近辺を維持している。執筆時点では1%超上昇した。取引環境は中東情勢の動きや、米国とイランの合意をめぐる不透明感に左右された。
チャートでは「高値切り上げ」「安値切り上げ」となっている一方、値動きは「もみ合い(方向感が出にくい状態)」にある。相対力指数(RSI、買われ過ぎ・売られ過ぎを示す代表的な指標)は中立水準(一般に50)を下回るが上向いており、売り圧力が弱まっていることを示す。
注目すべき水準
上値抵抗(レジスタンス)は、20日単純移動平均線(SMA:過去20日平均の価格を線で示したもの)の77.51ドル、次に80.00ドル、続いて100日単純移動平均線の81.10ドル。下値支持(サポート)は76.00ドル、その後に4月29日の日足安値70.86ドル、さらに70.00ドルが意識される。
銀価格は、地政学リスク、景気後退懸念、金利動向の影響を受けやすい。銀は利息や配当のような「利回り(保有して得られる収益)」を生まないため、金利が上がると相対的に不利になりやすい。銀は米ドル建てで取引されるため、ドル高はXAG/USD(銀価格を米ドルで示した通貨ペア)の上値を抑え、ドル安は押し上げ要因になりやすい。
また、工業需要も銀の重要な材料だ。銀は電気を通す力(電気伝導率)が高く、電子部品や太陽光発電で使われる。銀は金と連動しやすく、金銀比率(ゴールド/シルバー・レシオ:金1オンスに対して銀が何オンス必要かを示す指標)は両者の相対的な割高・割安を測る目安になる。
オプションを使った取引アプローチ
銀は足元で94.20ドル近辺で取引されており、昨年見られた強気の流れは大きく進んだ。デリバティブ(金融派生商品:原資産の価格に連動する取引)の参加者にとっては、単純な買い持ち(ロング)はリスクが高くなりやすく、オプションの活用が有効だ。例えば、コールスプレッド(買う権利=コールを買い、別のコールを売ってコストを抑える戦略)で心理的節目の100ドルを狙えば、初期コストを抑えつつ上昇分を取りにいける。