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原油反落、イラン核合意協議で焦点がホルムズ海峡リスクから供給見通しへ移る

by VT Markets
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May 22, 2026

原油は木曜日、イランが濃縮ウラン(高い濃度にしたウラン。核燃料などに使える)を国内にとどめるとの報道を受けて上昇した。その後、イラン国営メディアが「アル・アラビーヤ」が伝えたとして、パキスタンが仲介する米国・イランの最終合意案(最終的な文書案)が数時間以内に発表される可能性があると報じ、下落に転じた。WTIは101ドル超から100ドル割れへ下落し、市場の関心は紛争への警戒から、航路(海上輸送ルート)再開の可能性へ移った。

直近の下値の支えは、世界の海上輸送原油のおよそ5分の1が通るホルムズ海峡にあるとされる。同海峡は2月下旬以降、通航が制限されてきた。サウジアラビアは2月以前の状態への通航回復を望んでいるとも報じられており、供給不安の緩和につながる。

市場の焦点は合意の行方へ

3月と4月の期限は、持続的な合意に至らないまま過ぎた。停戦が発表されても、その後破られる場面があった。足元の説明は、署名済みの合意(正式に成立した取り決め)ではなく、協議の議題(話し合う項目)だとされる。また、パキスタン軍トップが残る論点を詰めるためテヘランへ向かうと報じられた。

4時間足(4時間ごとの値動きを示すチャート)では、WTIは5月に入り、95〜96ドル付近のサポート(下値支持線)と104〜105ドル付近のレジスタンス(上値抵抗線)の間で推移してきた。4月下旬には107ドル近辺まで上昇した。100ドルを割り込むと、95〜96ドル方向を試す可能性がある。海峡が再開すれば90ドル付近へ向かい、年末に80ドルとする見通しもある。

オプションの変動性は地政学リスクの後退で低下

2026年5月下旬の状況は、地政学的な不安よりも需給の均衡が中心であり、そのためWTIは1バレル82ドル近辺で推移している。最新のEIA(米エネルギー情報局)の報告では、世界の消費量が日量1億450万バレルと堅調に増加している一方、OPEC+以外(OPECと協調する産油国の枠組みに参加しない国)の生産が着実に伸びている。結果として、原油価格は今年に入り比較的狭いレンジ(一定の値幅)に収まりやすい。

デリバティブ(金融派生商品。原油などの価格に連動する金融商品)取引では、インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される予想変動率)が、2025年のホルムズ危機時の高水準から大きく低下した。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX。原油オプションの予想変動を示す指数)は足元で28近辺で推移し、昨春に一般的だった40超の高水準とは対照的だ。供給ショック(突然の供給減)への警戒が薄れ、オプションは大幅に割安になっている。

この環境では、プレミアム(オプションの受け取り・支払いとなる代金)を売る戦略が有利になりやすい。市場が方向感の乏しい動きを続けるなら、77〜87ドルの想定レンジの外側でストラングル(同じ満期でコールとプットを組み合わせる。ここでは売り戦略)や、アイアン・コンドル(複数のオプションを組み合わせて一定レンジ内の推移を狙う戦略。ここでは売り中心)を用い、経済指標を消化する局面でプレミアムを得る方法が考えられる。これは「昨年の急変動はすでに終わった」という前提に基づく。

それでも、来月会合を開くOPEC+の政策変更や、アジアの需要減速の兆しには注意が必要だ。昨年の主なリスクは後退したが、市場は新たな材料で動きうる。したがって、想定外の変化に備え、損切り(損失を限定するための決済)など規律ある管理は欠かせない。

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