インドのHSBCサービス業購買担当者景気指数(Services PMI、企業の購買担当者への調査から景気の強さを示す指数)は5月に58.9となり、前月の58.8から上昇した。
この指数は50を上回る状態が続いており、サービス部門が拡大していることを示す。
サービス業の勢いが強く、拡大が続くサイン
2025年5月のサービスPMIは58.9と高水準で、景気拡大(経済全体の成長)が続いている流れの一部だ。勢いが続いていることは、景気の中心的な動力が強いことを示す。デリバティブ(先物やオプションなど、原資産の価格に連動する取引)取引では、この安定した強さが売買判断の材料になりやすい。
これはインド株に強気(上昇を見込む)の見方につながり、Nifty 50先物の買い(ロング)やコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)の購入が選択肢となる。2025年半ばには、強いPMIの後にNifty 50指数がその後2カ月で4%超上昇した局面があった。2026年初の企業業績も同様に堅調で、特に金融や消費関連サービスが強いことから、同様の流れが続く可能性がある。
また、インドルピーの底堅さも想定される。背景は海外からの資金流入(外国資本が株式や債券などを買う動き)だ。2025年に似た強いデータが出た後の四半期には、外国ポートフォリオ投資家(FPI、海外の機関投資家などによる証券投資)がインド資産を60億ドル超の買い越しとなり、USD/INR(米ドルとインドルピーの為替レート)は低下した。USD/INR先物の売り(ショート)や、ルピーのコールオプション(ルピー高を狙う権利)の購入が戦略になり得る。
一方で、景気の強さが続くことでインフレ圧力(物価の上がりやすさ)も残りやすく、インド準備銀行(RBI)が利下げ(政策金利の引き下げ)に踏み切りにくい状況が見込まれる。2025年のインフレ率は平均で5%近くと高止まりし、RBIの目標である4%を上回った。金利が下がりにくいなら、国債先物の売りを検討する余地がある。利回り(債券の利息収益率)は下がりにくい環境になりやすい。
高成長と高インフレが併存する局面の変動性戦略
高成長と粘着的なインフレが同時に進む局面では、市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)が高まりやすい。2025年半ばの発表後には、成長期待と金融政策への警戒が意識され、インドVIX指数(株式市場の予想変動率を示す指数)が大きく上昇した。こうした局面では、Nifty 50でストラドル(同じ満期・同じ権利行使価格のコールとプットを同時に買い、上下どちらかの大きな動きを狙う手法)を買う戦略が、急な値動きの取り込みに有効となり得る。