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英英長期国債利回り、名目GDP成長率を上回る ホルムズ海峡封鎖で原油高、債券急落とポンド下落リスク高まる

by VT Markets
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May 18, 2026

世界の債券市場は下落(売りが優勢)しており、借入コスト(国債利回り)が名目国内総生産(名目GDP:物価上昇分も含めた経済規模)の成長率に近づく、または上回りつつある。背景には、ホルムズ海峡の封鎖が市場の主要材料であり、世界の石油在庫の緩衝(余裕)が縮小していることがある。

英国は借入コストが名目GDP成長率を上回る「危険水準」に入った。英国10年国債(ギルト)の利回りは、英国の第1四半期の名目GDP成長率を上回り、過去10年の名目成長の平均ペースも超えている。

英国の財政信認とポンド安圧力

本レポートは、ポンド(GBP)と英国債利回り、国内政治の関係を指摘する。英国の財政運営に対する信頼(財政信認)の低下と政治の不透明感の高まりが、GBPにさらなる下押し圧力をかける可能性があるとしている。

現在も続くホルムズ海峡封鎖が市場の中心課題で、世界の石油在庫が減るなか、北海ブレント原油(国際指標の原油価格)は1バレル115ドル超で推移している。これがインフレ(物価上昇)懸念を強め、世界債券の売りを加速させている。この環境は、借入コストが経済成長を上回る危険水準へ押し上げている。

英国はすでにこの状況に入り、10年ギルト利回りは先週5.2%に達し、最新の2026年第1四半期の名目GDP成長率3.8%を大きく上回った。この差は、英国経済が債務(借金)を返済・利払いしていく力に強い負荷がかかっていることを示す。過去を振り返ると、2022年末のLDI危機(年金基金が「資産と負債の差」を抑えるために使った運用手法LDI=負債連動運用が、金利急騰で損失拡大と資金繰り悪化を招いた混乱)でも、同様の動きがより急速に起きた。

GBP/USDの水準とオプションによるヘッジ

デリバティブ(金融派生商品)市場の参加者にとって、これはポンドの弱さが続く可能性を示す。秋に総選挙の可能性が取り沙汰され、英国の財政信認への懸念が増すなか、GBPの買い持ち(ロング)を保有するのはリスクが高い。GBPのプット・オプション(あらかじめ決めた価格で売る権利)を買うことは、対米ドルでの追加下落に備える、または下落局面で利益を狙う手段として妥当だとみる。

2025年に短期の安定局面があったとはいえ、根本の財政問題は十分に解決されていなかった。足元の圧力がその弱点を再び表面化させている。GBPオプションのインプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の値動きの大きさをオプション価格から逆算した指標)は上昇しているが、下落に備える保険コストとしては依然許容範囲の可能性がある。

当面、GBP/USDが重要なサポート(下値支持)である1.2000を下抜けるかを注視している。明確に割り込めば、数週間のうちに1.1850近辺の試しにつながる可能性がある。したがって、トレーダーはボラティリティ上昇の可能性を織り込む形でポジション(建玉)を組み立てるべきだ。

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