米国のNAHB住宅市場指数(全米住宅建設業者協会の景況感指数)は5月に35が予想されていたが、結果は37だった。
結果は予想を2ポイント上回った。この指数は、住宅建設会社(ホームビルダー)の住宅市場環境に対する景況感を示す。
住宅建設業者の景況感が改善
5月のNAHB住宅市場指数は37となり、予想の35を上回った。景況感はなお弱気圏にあるものの、改善ペースが想定より速いことを示す。2025年を通じて続いた減速の後、住宅関連が底打ちしつつある可能性を示唆する。
このやや強めの住宅指標は、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しを難しくする。4月のコアCPI(変動の大きい食品・エネルギーを除いた消費者物価指数)が3.1%と高止まりしているためだ。さらに、30年固定住宅ローン金利(返済期間30年で金利が固定される住宅ローン)が6.5%前後で下がりにくい状況では、住宅セクターの底堅さが確認されれば、FRBが利下げを急ぐ必要性は低下し得る。そのため、市場が織り込む利下げ確率を示すフェドファンド先物(政策金利見通しを反映する先物)に変化が出るか注視したい。現時点では、第3四半期までの利下げ確率を40%程度とみている。
デリバティブ(株式や金利などを原資産とする金融派生商品)取引では、XHBのような住宅建設関連ETF(上場投資信託)が選択肢になる。良好なサプライズと高い住宅ローン金利が同居するため、今後数週間でインプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される将来の変動予想)が上がる可能性がある。大手住宅建設会社に対し、キャッシュ・セキュアード・プット(現金を確保した上でプットを売り、下落時は株を買い受ける前提の取引)を売る戦略は、プレミアム(オプションの受取金)を得つつ、買いの水準を定められる点で検討余地がある。
住宅指標の底堅さは、金利デリバティブ、とりわけ米国債先物(米国債の価格に連動する先物)に対するオプションにも影響する。後続のデータが景気の強さを裏付ければ、利下げ時期の想定が後ろ倒しになり、短期の米国債先物のコールオプション(将来、所定の価格で買う権利)は魅力が低下し得る。2024年局面の債券市場での大きな値動きを踏まえると、インフレ動向に明確な方向性が出るまで慎重な姿勢が妥当だろう。