USD/CHFは月曜日、直前4営業日で約1.2%上昇した後にいったん上昇が一服した。相場は底堅く、押し目は0.7850を上回って推移し、2週間ぶり高値圏の0.7877付近にとどまった。
イラン外務省の報道官が「ワシントンとテヘランの協議は継続中」と述べたことで、市場のリスク選好(投資家が高いリスクを取りやすい状態)が改善した。発言ではホルムズ海峡の再開にも言及があり、米ドル買い需要(安全資産としての米ドル需要)の後退につながった。
テクニカル見通しと重要水準
テクニカル面では、USD/CHFは下降ウェッジ(下向きに収束する型。上放れすると反発のサインになりやすい)の上限を上抜けた水準で推移している。4時間足ではRSI(相対力指数。買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)が買われ過ぎ圏から低下した後も60近辺で、MACDヒストグラム(MACDの勢いを棒で示す指標)はプラスの勢いが続いている。
下値支持は、5月初旬の高値付近の0.7845と、逆向きのトレンドライン(下落基調を上抜けた後の押し目の目安)周辺の0.7835。ここを割り込むと上昇の形が崩れ、5月13日・14日の安値近辺である0.7800が意識されやすい。
上値抵抗はまず日中高値の0.7877。上抜ければ、4月13日・29日の高値と重なる0.7925〜0.7930が次の目標になりやすい。
ファンダメンタルズと戦略の留意点
足元では、米連邦準備制度理事会(FRB)とスイス国立銀行(SNB)の金利差(両国の政策金利の差)が拡大しており、上昇圧力はより強まっている。FRBはインフレ抑制のため政策金利を5.25%で維持している一方、SNBは前四半期から利下げ局面(政策金利を下げる流れ)に入り、政策金利は1.25%となっている。こうした金融政策の方向性の違い(政策の乖離)が、テクニカルな上抜けよりも強い材料になっている。
スイスのインフレ率は先週の発表で1.4%と落ち着いており、SNBが追加利下げをしやすい環境だ。これはUSD/CHFにとって追い風(上昇しやすい要因)になりやすい。
このような地合いでは、短期的な急変動(ボラティリティ:価格の振れ幅)よりも、緩やかな上昇の継続を想定した戦略が考えられる。例えば数週間の目線では、ブル・コール・スプレッド(コール=買う権利を使い、上昇で利益を狙う。高い行使価格のコールを売ってコストを抑える)として、6月または7月のオプションで0.9150のコールを買い、0.9250のコールを売る組み合わせが候補となる。コストと損益の上限が明確になり、中央銀行政策による上方向へのじり高を狙いやすい。
下値余地が限定的とみる慎重な投資家は、アウト・オブ・ザ・マネーのプット売り(プット=売る権利。現値より下の行使価格で売り、プレミアム=受け取るオプション料を得る)も選択肢となる。例えば行使価格0.9000付近の7月プットを売ることで、プレミアムを得つつ、SNBのハト派姿勢(金融緩和に前向きな姿勢)が相場の下支えになるという見方を反映できる。