週明けの注目:原油高でFRBの利下げは当面見送りでした

by VT Markets
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May 4, 2026

要点

  • FRBは政策金利を3.50%〜3.75%で据え置きでしたが、賛成8・反対4の票割れは、インフレ、成長、次の政策判断を巡る見解の隔たりが一段と深いことを示していました。
  • 原油は主要なマクロ要因のままでした。価格が100ドル超で推移すると、インフレ期待と利下げ織り込みが抑制されやすい状況でした。
  • 今週の主なデータリスクは、RBA政策金利決定米JOLTS求人件数、そして金曜の米雇用統計(非農業部門雇用者数)でした。
  • テクニカル面では、選別的なドル安、金の底堅さ、原油の堅調、そして慎重なリスク選好が優勢でした。もっとも、米労働指標がFRBの物語を変える場合は例外でした。

市場は新しい週を迎えるにあたり、ひとつの問いに集約されていました。原油がインフレを長引かせる局面で、FRBは利下げに踏み切れるのでしょうか、という点でした。

FRBは政策金利を3.50%〜3.75%で据え置きでしたが、核心は票割れでした。賛成8・反対4という分裂は1992年以来最も大きい分裂で、政策当局が次の一手について明確に一致していないことを示していました。一方は成長鈍化を重視し、緩和余地を確保したい意向でした。

もう一方は依然としてインフレリスクを見ており、とりわけエネルギー価格が輸送コスト、財価格、賃金、インフレ期待へ波及する点を警戒していました。

原油高がFRBを「身動きの取れない」状態にしていました

原油が安定すれば、インフレは年後半にかけてなお沈静化する余地がありました。一方、原油が100ドル超で定着、あるいは一段高となれば、FRBは身動きが取りにくくなっていました。エネルギー起因のインフレが経済全体へ波及し得る中で、大幅な利下げは難しいためでした。

このため、パウエル議長の発言姿勢は引き続き重みがありました。議長は米経済を「底堅い」と述べ、個人消費とデータセンター投資に支えられて今年の成長率は2%超が見込まれるとの認識でした。利下げを急ぐ中央銀行の表現ではありませんでした。むしろ、景気は崩れていない一方で、インフレが素直に低下しにくい「景気後期」の様相に近い表現でした。

市場への影響は明確でした。成長が強いほど利下げの緊急性は低下でした。インフレが粘着的であるほど利下げ余地は縮小でした。原油高はその自由度をさらに奪っていました。この組み合わせは「高金利長期化(higher for longer)」の取引を支え、債券利回り、ドル、金、原油、株式において値動きが大きくなりやすい地合いでした。

労働市場がより重要な位置付けでした。金曜の米雇用統計(非農業部門雇用者数)は6万人(前回17.8万人)が予想され、失業率は4.3%で横ばい見通しでした。弱い雇用結果は利下げ観測を再燃させ得ましたが、賃金やインフレのシグナルが粘着的に見えないことが条件でした。強い結果となれば、FRBが様子見を続ける根拠が増える形でした。

今週は豪州にも再び注目が集まっていました。RBAの政策金利決定では、インフレ懸念が意識される中、市場は4.10%から4.35%への引き上げを見込んでいました。AUDUSDは、RBAがより引き締め的な経路を確認するか、あるいは成長下振れリスクに弱気なトーンを強めるかで反応が分かれる可能性がありました。

市場は方向感よりもボラティリティが高い展開となる可能性がありました。リスク資産が明確に上値余地を得るには、原油の沈静化が必要でした。それまではFRBは身動きを取りにくく、ドルは不安定に推移しやすく、金は押し目で支えられやすく、株式は上昇継続に強い決算か、より弱い労働指標を要する局面でした。

注目シンボル

  • USDX
  • XAUUSD
  • USOil
  • SP500
  • BTCUSD
  • USDJPY

今週の主要イベント

日付通貨イベント予報前のアナリストのコメント
5月5日オーストラリアドル現金レート4.35%4.10%タカ派的なオーストラリア準備銀行(RBA)は、主要な強気ゾーン付近で豪ドル/米ドル相場を支える可能性がある。
5月5日米ドルJOLTSの求人情報687万688万労働需要が、次回のFRBの利下げ議論を左右するだろう。
5月8日米ドル非農業部門雇用者数の変化60K178K給与支払いは、USDX、XAUUSD、およびS&P500の方向性をリセットする可能性がある。
5月8日米ドル失業率4.30%4.30%金利上昇は、FRBによる利下げ期待を再び高める可能性がある。

来週のデータ日程も重要でした。米CPI(前年比)は5月12日、米PPI(前月比)は5月13日、英GDP(前月比)は5月14日、米小売売上高(前月比)は5月14日に予定されていました。これらの指標が、原油高を一時的なインフレショックと捉えるのか、より大きな政策問題と捉えるのかを市場が判断する材料となり得ました。

今週の主な値動き

USDX

  • USDXは前回の下落後も上値の重い展開でしたが、指数は高値圏での持ち合いを試す可能性がありました。
  • 98.20近辺は重要なレジスタンスゾーンで、弱気の値動きが出るか注視局面でした。
  • その後、97.399のスイング安値を下抜ければ、ドルは下押し圧力が再燃する可能性がありました。

USDJPY

  • USDJPYは監視されていた158.90近辺から上昇し、160.45を上抜けた後に反落でした。
  • 反落により、上方向の戻りが新たな売りを呼び込むかが焦点でした。
  • 上向きに持ち合う場合、157.50158.10158.70で弱気の値動きが出るか注視されていました。

USOil

  • USOilは103.75を上抜けた後に上昇が続き、その後は調整でした。
  • より大きな構造では、価格がきれいに持ち合えば、上方向への再延伸余地が残っていました。
  • 原油は主要なマクロの圧力点でした。強さが持続すると、インフレとFRB政策リスクがくすぶり続けるためでした。

Gold

  • 金は4633.39を上抜けて上昇でした。
  • この動きは、粘着的なインフレ、利下げ期待の後ずれ、地政学リスクというマクロ環境と整合的でした。
  • 価格が上昇する中、次に注視すべき水準は4690でした。

SP500

  • SP500は上昇基調が続き、史上最高値圏での推移でした。
  • 上昇が行き過ぎた局面では利益確定が入りやすいため、値動きの監視が重要でした。
  • 7110のスイング安値を割り込めば、利益確定が進行している可能性がありました。

Bitcoin

  • ビットコインは75,600近辺から上昇でした。
  • リスク選好が維持され、ドルの上値が抑えられるなら、構造は引き続き良好でした。
  • 次に持ち合う場合、77,55077,00076,550が強気の値動きを見極める重要ゾーンでした。

結論

先行きは単一の指標というより、その周りで形成される市場レジームが焦点でした。分裂したFRB、100ドル超の原油、そして底堅い成長は、トレーダーにとって難しい組み合わせでした。米労働指標が弱ければリスク資産と金には追い風になり得ましたが、市場がFRBのより緩和的な道筋を確信を持って織り込むには、原油の沈静化が必要でした。それまでは、SP500とBTCUSDの上昇は確認材料が求められ、USDXはレジスタンス近辺で不安定になりやすく、XAUUSDはインフレと地政学リスクが意識される限り下支えされやすい状況でした。

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